瀬戸陶磁器会館
Seto Toujiki Kaikan第一次時世界大戦後、未曾有の不況に見舞われた瀬戸の陶磁器業界は、大正15(1926)年に生産統制と共同販売を目的に瀬戸陶磁器工業組合を設立した。その後、急激に増加した組合の共同販売所の統合が構想され、丹羽英二は、瀬戸東部信用組合(現在の瀬戸信用金庫)や丸山陶器合名会社といった地元企業の建物や名古屋陶磁器貿易商工組合事務所の設計を手がけた関係から、瀬戸陶磁器工業組合総合共同販売所兼事務所の設計監理の依頼を受け、昭和10(1935)年に完成した。この地上3階地下1階、鉄筋コンクリート造、延べ面積1,684㎡の建物は、黄瀬戸のタイルやテラコッタなど、仕上げや装飾に瀬戸ならではの材料がふんだんに使用されていることが特徴といえる。
- 正面玄関
- テラコッタ製照明
- 花瓶台
- 階段部ディテール
- 理事長室
- 理事長室
- 会議室内観
- 会議室建具
終戦直後の地方巡幸で瀬戸を訪れた昭和天皇は、このビルの屋上に上がり瀬戸川沿いに集まった市民から盛大な歓迎を受けた。現在、この建物は、瀬戸陶磁器会館として、愛知県陶磁器工業協同組合などが入居している。